「どがんね」は九州・佐賀弁で「どうですか」「いかがですか」といった意味です。優しい響きがしますが、くだけた感じもするので、「どうね」「どうよ」の語感の方が近いでしょうか。福岡方面では「どげんね」、南の方へ行くと「どぎゃんね」となります。
佐賀県の事業家、古賀常次郎さんは、更生保護施設を設置経営する更生保護法人の理事長を務め、更生保護事業や教育、子ども育成の分野への寄付を長年されています。この方の詳伝である『どがんね』が発売されています。『五つの誓い』に続く第2弾ともいえる本です。書店やAmazonなどで販売されています。
古賀さんは未成年のときの苦い思い出と、周りの人の温かな支援に深く感謝していると常日頃からおっしゃっており、その思いが詰まっているこの本ですが、今の子どもや若者たちへ伝えたいこととして、実に含蓄のある言葉が残されています。
「生まれたときの環境、学校に行かれんことは、どがんしようもなか。今置かれたところで、自分が、一生懸命がんばってね、うそばつかじ、がんばるよりか、なかやっかっていうことですね。どがんしようなか。育ちの悪うして生まれてきとんない、しよんなかやっか。いくら勉強しとうても、基礎もわかっとらんけん、がんばったいうこと。とにかく、楽なほうを選ばじ、がんばった。日本中、だいでん、苦労せんばいかんよ。苦労の中から、よかことも生まれるっちゃ。僕はそがんして来とっちゃんね。私生活ば見るぎ、どがんですか?がんばってさ、いくら読み書きができなくても、ここまで立ち上がれる日本よ。がんばって、がんばって、我がでくっことを。このままじゃ、もったいなかやね。がんばっちゃんないと、なんでんされんて。日本も見捨てた国でなかよ。」
佐賀弁が相当混じっているので、佐賀県民ネイティブでない方のために、できるだけ標準語にしてみます。
「生まれたときの環境、学校に行けないことは、どうにも仕方がない。今置かれたところで、自分が、一生懸命がんばってね、うそをつかず、がんばるしか、ないじゃないかっていうことですね。どうにも仕方ない。育ちが悪くして生まれてきてるなら、仕方がないじゃないか。いくら勉強したくても、基礎もわかっていないから、がんばったいうこと。とにかく、楽なほうを選ばずに、がんばった。日本中、だれでも、苦労しなきゃいけないよ。苦労の中から、いいことも生まれるもんだ。僕はそうして来ているんだ。私生活を見たら、どうですか?がんばってさ、いくら読み書きができなくても、ここまで立ち上がれる日本よ。がんばって、がんばって、自分ができることを。このままじゃ、もったいないじゃない。がんばっていかないと、なんでもできないって。日本も見捨てた国じゃないよ。」
古賀さんが皆勤で通った定時制の高校、旧制佐賀高校(現・佐賀西高校)の校歌の一節に「ああいざさらば わが友よ 日本の栄え 求めつつ 〜 力ためさむ この生命」とあります。この精神にも通じる篤いものがあると思います。
自分が何のために生まれてきたんだろうかと悩まれている多くの方へ、この言葉を実感してもらえればと願っています。


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